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※参加者の所属・役職・プロフィール内容は開催当時のものです。

国際シンポジウム2018アスタナ

「持続可能社会に向けた革新的技術」


本田財団は、2018 年5月23日、カザフスタンの首都アスタナにて、「持続可能社会に向けた革新的技術」と題したシンポジウムを、政府直轄機関であるナザルバエフ初代大統領図書館と共催しました。当日は本田財団代表団のほか、カザフサタン国内の研究教育期間から合わせて176 名が参加しました。


開会の挨拶では駐カザフスタン日本国大使の川端一郎氏、初代大統領図書館副館長のアメルファン・ラヒムジャノフ博士、外務省大臣秘書官のカラシェフ・アナルベク氏、当財団理事長の石田寛人が登壇。その後、導入セッションと基調講演が行われ、日本側からは科学技術振興機構の前理事長で現顧問の中村道治氏、当財団理事の小島明の2 名がスピーチ。カザフサタン側からはエネルギー省副大臣のボラト・アクチュラコフ氏、ルスラン・バイミシェフ氏が 壇上に立ちました。


カザフスタンは石油、天然ガスなどのエネルギー資源をはじめ、石炭、ウラン、銅、鉛、亜鉛鉱物資源に恵まれた資源大国として知られています。そこで同国ではエネルギー・鉱物・資源開発において外資導入を重視しつつ、イノベーションの推進による持続的発展に向けた産業の多様化を図っています。シンポジウムは資源エネルギー分野が中心となっている経済活動の発展に向けた課題を議論すべく、3つのセッションに分割。法律・マネジメント・人材育成など多様なテーマを取り扱い、時代的ニーズの変化を捉えた積極的な政策議論が交わされました。最後のラップアップセッションでは、各セッションでの議論を下地に日本・カザフスタンにおけるイノベーションのあり方を話し合い、活発な意見交換が行われました。


※当日の講演から主な内容を以下に紹介します。


◎開会の挨拶
アメルファン・ラヒムジャノフ博士
初代大統領図書館副館長


ラヒムザノフ博士は、自然資源の有効活用は全世界的に重要である状況において、カザフスタンでは早期よりグリーンエコノミーを表題とした施策を展開し、2011年には国連持続可能な開発会議(リオ+20)に参加、2017年には「未来のエネルギー」をテーマとしたアスタナ国際博覧会を開催し、エネルギー削減技術を継続的に発表してきたと語り、自然資源の保全と持続可能な経済成長の両立に向けた新たな解決方法が生まれることを期待する、と述べました。

◎セッション1:革新的技術と効率的な自然資源利用のための法的観点
─産業構造の転換(技術の活用と企業戦略)─

バウザン・スマグロフ氏
電力開発・省エネルギー研究所 理事長


バウザン氏はカザフサタンがOECD 諸国に比べGDPに対するエネルギーの割合が高いことを受け、2025 年にはGDP比で25%、2050 年には50%削減を目標に掲げていることを紹介。国内のエネルギー保全の取り組みを進めるうえで日本の企業・団体・NPOが積極的な参加が役立ったことを挙げ、その結果新設された「エネルギー効率カード」の枠組みによって、国内の省エネに努めるプロジェクトへの投資が集まっていると述べました。

◎Session 2:自然・環境保全技術のマネジメントの成功事例
─日本の成功事例と直面する新たな課題─

田中伸男
前国際エネルギー機関(IEA)事務局長


田中氏は、国際エネルギー機関(IEA)が発表した「世界エネルギー見通し2017」で触れられた4つの革命的な変化を取り上げ、米国が石油ガス大国となる「シェール革命」、太陽光発電のコストが電源中で最も安くなる「ソーラー革命」、中国・北京の大気汚染が石炭から天然ガスへの転換で改善した「緑色革命」、低炭素の電源を使った社会が生まれる「電化革命」を紹介。この内3つは中国であり、世界はエネルギー安全保障の変化に適応する必要があると述べました。

◎Session 3:持続可能な社会に向けた将来技術
─産業構造転換に向けた人材育成─

安浦 寛人 博士
九州大学 理事・副学長


安浦博士は、今後人類が達成するであろう革命的なイノベーションはICTによって生まれるとし、九州大学におけるビックデータ活用事例を紹介。教員や学生の電子教科書の閲覧ログを1日に18万件収集・解析して学生の学習指導への活用や、水素利用や水のリサイクルといった取り組みを様々な観点からモニタリングするなど、キャンパスを実証実験の場と捉え、ビジョンを描く試みを継続するなかで、SGDsが示す課題の解決策を提供できるようになることを期待しているとした。

地元メディアによる取材の様子

会場の様子

参加者からは質疑応答が相次いだ

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