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※参加者の所属・役職・プロフィール内容は開催当時のものです。

国際シンポジウム2016タシケント

「持続可能性に向けたイノベーション —人間環境と自然環境に調和する科学・技術・経済成長のあり方」


本田財団は、2016年5月14日、ウズベキスタンの首都タシケントにて「Innovation for Sustainability-Harmonizing Science, Technology and Economic Development with Human and Natural Environment」と題したシンポジウムを、ウズベキスタン内閣府直轄機関である科学技術開発調整委員会(CCSTD: Committee for Coordination of Science and Technology Development)と共催しました。当日は本田財団代表団のほか、国内最大の科学団体であるウズベキスタン科学アカデミー、国内の職業教育も含む中〜高等教育を管轄する高等・中等専門教育省をはじめとした研究教育機関から合わせて203名が参加しました。


開会の挨拶では明治大学国際総合研究所特任教授で元外務/環境大臣の川口順子氏と駐ウズベキスタン日本国大使の加藤文彦氏、ウズベキスタン科学アカデミー会長のシャブカット・サリコフ博士(Dr. Shavkat Salikhov)が登壇。その後、導入セッションでは当財団理事長の石田寛人、ジャーナリストでNPO法人日本ウズベキスタン協会会長の嶌信彦氏がスピーチを行いました。


シンポジウムでは、日本での急激な経済発展の時代、およびそれ以降の教訓に焦点を当てながら、人類と自然環境が調和した科学技術の持続可能な発展を支えるため、イノベーションがどのように寄与するかをテーマに設定。基調講演で日本の高度経済成長期における経験とウズベキスタンの科学技術の現状を俯瞰し、最初のセッションで経済発展と環境保護の促進に必要な法整備と社会基盤を扱いました。2番目のセッションではエコテクノロジーの成功について話し合い、3番目のセッションでは構造基盤の変化を含む技術的なイノベーションの紹介をしつつ、最新の環境技術の将来への展望を探りました。最後のラップアップセッションでは、各セッションでの議論を下地に日本・ウズベキスタンにおけるイノベーションのあり方を話し合い、活発な意見交換が行われました。


※当日の講演から主な内容を以下に紹介します。


◎開会の挨拶
Dr. Shavkat Salikhov
ウズベキスタン科学アカデミー会長


サリコフ博士は、ウズベキスタンのSTI(Science, Technology and Innovation)ポリシーの現状について触れ、イノベーションを進めていくためには効果的な法整備に始まり、税金・金融などの経済的な基盤作りをはじめ、物流、情報、人材教育といった様々な要素が必要とされている現状を説明。高い潜在能力を持つウズベキスタンで、イノベーションを実現するには、実施される政策が安全で持続可能性のある技術に根ざしていなければならないと述べ、エコテクノロジーはウズベキスタンのSTI開発の将来において優先順位の高いものであると述べました。

◎セッション1:環境と調和した経済発展の為の技術進化と法整備
川口 順子氏
明治大学国際総合研究所 特任教授
元外務・環境大臣


公害削減問題を解く鍵:日本からの提言
川口氏は、日本の公害防止対策について①規制とインセンティブを持たせる政策、②経済的な効果を市場にもたらせる技術開発と普及および人材開発、③関わるすべての人たちが相応の役割を担う、の3つの要素挙げた。一方、被害者への対応は汚染を起こした当事者が償う政策を進めているものの、公害問題は日本でも未解決であることを説明。環境問題がさらに複雑にグローバルになる中で日本の技術が果たす役割は大きく、その貢献はますます重要度を増してくると話しました。

◎Session 2:エコテクノロジーの実践における好事例
大垣 眞一郎
(公財)水道技術研究センター理事長
東京大学名誉教授


大都市での水インフラにおけるエコテクノロジー
大垣氏は、世界では気候変動や高齢化といった構造的な変化と地震や津波といった予測不可能な変化に直面している中、都市や田舎ではどのような水システムを構築するのが理想であるかを提言。日本の東京やその他の都市における取り組みを引き合いに、上下水道のシステムや災害に強い水供給ネットワークの構築を歴史や事例を紹介しました。

◎Session 3:環境対応先進技術の将来展望(~技術革新による将来インフラの変容)
Dr. Sharatdin Mirzaakhemedov
ウズベキスタン高等技術センター
センター長


省エネルギーで環境に配慮した技術推進における
Center for High Technologies(CHT:高等技術センター)の役割
Mirzaakhemedov博士はウズベキスタンでのハイテク開発への取り組みが全中央アジアの経済発展に繋がるものであるとし、CHTにおける次世代の触媒技術を活用した高純度水素製造、マイクロプロパゲーション技術による天候に左右されない植物クローン開発などを紹介。CHTは中央アジアでトップレベルの研究拠点を目指し、国内のイノベーションの喚起、人材育成、産官学の連携を通じて、社会問題への持続可能な解決策を探っていると説明しました。

関係者による記念撮影

会場の様子

参加者からは質疑応答が相次いだ

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