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ミッションとアプローチ

エコテクノロジー

ミッションとアプローチ

当財団では、「人間性あふれる文明の創造に寄与する」ことを実現するために、従来とまったく発想の次元を異にした、何らかの新しい接近方法を必要であると考えています。その新しい手法が「エコテクノロジー(ecotechnology)」です。

エコテクノロジーとは、ecologyとtechnologyを組み合わせた造語です。現在の「エコロジー」から想起される「地球に優しい」という限定された意味合いを超えて、時代の要請に応えるために構築された技術哲学であり、社会生活に反映されるべき新しい"ものの見方" "もののつくり方" "ものの扱い方" を提示する概念です。

そして、科学技術は「人間環境」(Human Environment)との調和も考慮する必要があります。科学技術の主人公は私たち人間のはずです。この事実を無視して、普遍性や合理性の名のもとに画一的な技術開発を進め、地域文化や生命の多様性を危機に晒したのでは意味がありません。

社会における諸問題は、時代とともに変化を続けるため、「人間環境」と「自然環境」の調和を図り、問題解決の手法であるエコテクノロジーには柔軟性が求められます。そこで当財団では4つの視座── Paradigm shift、Sustainability、Innovation、Life Frontierをもって様々な問題を捉え、活動に取り組んでいます。

パラダイムシフト

科学と社会生活に密接に関係する技術とが結びつくことで生まれた「科学技術」は、社会に大きな影響をもたらすだけでなく、産官学のすべての組織を巻き込んで、社会の構造を根底から革新する可能性を持ちました。

21世紀の今、「科学技術」はさらなる大きな転換期を迎えています。現代の先進国も途上国も、科学技術の振興を国家政策とし、その対象は産業や軍事だけでなく、教育、外交、医療、福祉など、すべての世界に存在し、それらの進歩・成長の原動力となっています。

有史以来、科学と技術が社会に対してこれほどまでに影響力を持ったことはありません。それゆえに、科学技術のあり方が強く問われる時代となりました。

子孫たちに明るい未来を手渡すためにできることは何か。そして、科学技術に携わるすべての研究者に求められる資質と倫理とはどんなものか。私たちは考え続けなければなりません。

持続可能性

地球の自浄能力を遥かに超えた産業活動は、地球環境問題という人類存亡の危機を引き起こすに至り、私たちは「人類は地球という1つの閉じたシステムの中で暮らしている」ことに気づくことになりました。

同時に、自然環境の相関関係から生じる環境負荷軽減対策の歪みや、南北問題に代表される各国の経済発展事情など、その取り組みには多種多様な問題の解決が不可欠なことも明らかになりました。

既存の枠組みを超えた協力や連携に基づく研究・開発なくしては解決できない地球環境問題。想定される最悪のシナリオが現実となったとき、環境問題の最大の被害者は、私たちの子孫、すなわち未来の人類です。

「いま顕在化していないリスクに何らかの手を打ち、未来の人類への責任を果たそう」という思いを科学者や技術者、そして一般の人々が共有し、地球環境問題への取り組みを根底で支えることにつながるのです。

イノベーション

20世紀における技術革新は、「使う側の人間が技術の進歩に追いつけない」という矛盾を生み出しました。インターネット普及による急激な情報化は、経済や国家の関係性、個人の日常生活を大きく変えました。さらに、新素材の開発やナノテクノロジーの進展など、速度も頻度もかつて人類が経験したことがないものになっています。

科学技術は私たちの生活空間にあたり前のように存在し、いつの間にかそれに支配されています。そして無意識のうちにストレスを感じたり、望まない技術の所産をひたすら受け入れたりする状況にあります。

社会の中核をなす科学技術が見えなくなっている今、科学者・技術者は、これから起こる急速な技術革新を、常にヒューマン・エンジニアリング(人間が機械に合わせるのではなく、人間をすべての中心に戻す)の思想と照らし合わせ、評価し、調整し、革新していかなければなりません。

ライフフロンティア

科学の進歩は、生命科学の領域において、様々な革新的技術の進展をもたらしました。とりわけ、遺伝子工学を代表とする最先端の生命科学は、ついに生命の神秘という神の領域にまで人の手を届かせたのです。

また、免疫システムの究明や遺伝子工学などの研究の成果が、アカデミックな範疇にとどまらず、臓器移植や遺伝子レベルでの治療など、医学や医療の現場に次々と取り込まれてきました。

一方で、先進国に暮らすと、貧困や飢餓に苦しむ発展途上国の命を見落としがちになります。経済格差の是正、環境の保全、国家の発展の新しいカタチの探求は、そこに暮らす人々の命、あるいは人類以外の命にも目を向けることが不可欠です。

生命科学技術の進歩には、人を幸福に導く可能性が期待できます。同時に、人を人たらしめる"命" をどう捉えるかという社会的、倫理的な問題も突きつけてくるのです。

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