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懇談会レポート

2012年12月03日

第124回
「環境政策と絶対的経営」〜エコデザインで未来を創る〜
2012年12月3日・東京會舘
進行する地球温暖化により、世界各国で大洪水や巨大竜巻、干ばつなどの異常気象が頻発している。2007年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した報告書では、人間起源の温室効果ガスが地球温暖化の原因だと指摘し、他の研究機関も科学的に立証している。地球表面温度が2℃上昇すると、大規模な水不足や飢饉、夏の北極海氷の消滅といった社会・自然界の崩壊が始まるとされている。この2℃上昇の抑制は「気候ターゲット2℃」と呼ばれ、世界規模での対策が検討・実施されている。日本や欧州はCO2削減策を懸命に実行しているが、主要排出国である中国やアメリカの対応は鈍く、目標達成できるかの瀬戸際に来ている。今後は企業経営においても、地球的境界条件と社会的境界条件の間での活動を意識し、環境に配慮した製品(エコプロダクツ)を生みだす「絶対的環境経営」へのシフトが必要である。そして伝統宗教を越えて、3000万種という生物が繁栄する地球の永続を願う心、「エコ信仰心」を持って前進し、マックス・ウェーバーの自然資本主義の精神を生みだしていかなければならない。
山本 良一氏
東京大学名誉教授

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2012-4

2012年10月01日

第123回
「自然はゆらぎを好むが無駄を嫌う」〜熱エネルギー・エントロピーの魔力〜
2012年10月1日・東京會舘
日本の現代物理学は仁科芳雄氏によって基礎が築かれ、戦後の湯川秀樹氏らのノーベル賞受賞は、自分を含め多くの若者が物理学を志す契機となった。私は学生時代から、相転移とエントロピーとの関係などについて精力的に研究を進めてきた。1976年の秩序形成のスケーリング理論の発表後は、国際会議で招待講演を行う機会に恵まれ、2時間に及ぶ討論を経験するなど、その後の研究の大きな力となった。また恩師であり「久保理論」で有名な久保亮五氏と、ノーベル賞受賞のイリヤ・プリゴジン氏という東西両巨人の下で研究ができたことは、誠に幸運な経験だった。そうした長年の研究によって、不可逆非線形輸送現象の新変分原理の発見に成功した。これは複雑な電気回路にも拡張でき、さらには現代のエネルギー問題への示唆が得られるなど、様々な分野への応用が期待される。基礎物理学はすぐに社会に役立つ学問ではないが、先々において非常に重要な分野であり、今後の若手研究者の活躍に期待すると共に、自然法則と調和する社会に向けて研究を続けていきたい。
鈴木 増雄氏
東京大学名誉教授

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2012-3

2012年07月23日

第122回
「元素戦略」〜材料から未来を創る〜
2012年7月23日・東京會舘
地球上の元素は100余り存在するが、実際の材料に使えるのは約60種であり、存在量にも大きな開きがある。この制約の中で工夫をし、新材料を生みだしていくことが人類の宿命である。日本はその材料・物質分野で世界を牽引してきたが、近年は論文掲載数・特許出願数共に中国に抜かれ、さらにはレアアース危機への直面など憂慮すべき状況にある。そうした中で生まれたコンセプト「元素戦略」は、持続可能な社会とありふれた元素からの新機能設計を目標とし、政府主導のプロジェクトにまで発展した。私自身、同プロジェクトでC12A7エレクトライドというセメント化合物を作りだし、絶縁体だったものを半導体、透明金属、最後は超伝導体にまで進化させた。こうした新発見には、元素に対する伝統的イメージの刷新と、分野横断型の視点が必要である。しかし元素戦略のように難しく新しいテーマは、先輩・後輩なく先陣争いをすることで若手を成長させ、日本が巻き返しを図る好機でもある。このプロジェクトを通じ、ワクワクする研究、世の中の役に立つ研究の実現を期待する。
細野 秀雄氏
東京工業大学フロンティア研究機構教授

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2012-2

2012年03月30日

第121回
「先駆けた国際産学連携研究は何をもたらしたか」〜アベルメクチン・イベルメクチンの発見とその後の展開〜
2012年3月30日・東京會舘
長年にわたる天然有機化合物研究者を通じ、微生物が作りだす有用な化合物質を約450種発見、その内25種が医薬、動物薬、農薬および研究試薬として世界中で使われている。その中で最も有名なのが、産学連携研究から生まれた「イベルメクチン」である。研究費が少ない日本の研究環境改善を目指し、アメリカのメルク社と共同研究契約を締結。産学連携は当時珍しかったが、研究は実を結び静岡県の土壌から分離した放線菌よりイベルメクチンを開発した。この物質は1回の投与で劇的な抗寄生虫効果を示し、動物薬として世界一の売上をあげた。続いてヒトへの効用も見つかり、現在オンコセルカ症とリンパ系フィラリア症という熱帯病に対し、WTOを通じた撲滅作戦が進められている。また、共同研究によるロイヤリティ収入によって先端研究の推進や病院建設、人材育成事業など研究所の様々な事業拡充を図ることができた。常に目標を高く掲げ、今後も人類の福祉貢献へ新しい道を切り拓いていきたい。
大村智氏
学校法人北里研究所 名誉理事長

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2012-1

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