2024年06月14日
第153回
「宇宙×ロボット×AIが変革する未来を目指して」
2024年6月14日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
「宇宙×ロボット×AIが変革する未来を目指して」
2024年6月14日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
吉田氏は1985年より宇宙ロボットの研究を開始し、これまでに技術試験衛星VII型「おりひめ・ひこぼし」、小惑星探査機「はやぶさ」、大学発超小型人工衛星、月面ローバープロジェクト「チームHAKUTO」など、数々の宇宙ミッション開発に参加。2022年からは内閣府/JSTムーンショット型研究開発事業において、AIロボットシステム開発に取り組んでいます。このコンセプトは「ロボットがロボットを組み立てる」もので、月面の有人拠点建設での活用を目指しています。建設現場の状況に応じてAIが必要な機能を判断。ロボット自身がモジュール化された部品を組み合わせて作業用ロボットを組み立てます。吉田氏は「月面における人の活動を支援するため、複数のロボットシステムが稼働することを想定している。資材を地球から月へ送る際には、部品を小分けにすれば、輸送コストやスペースを低減できる。今後数年以内に実証試験を行う予定だ」と解説。さらに、機械学習により、AIが部品の形だけでなく、動作の意味まで学習する様子を伝えるデモ映像が流れると、会場からは声が上がるなど、参加者は興味深く講演に聞き入っていました。
吉田 和哉氏
東北大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻 教授
2024年03月11日
第152回
「健康寿命を延伸する最高の腸活」
2024年3月11日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
「健康寿命を延伸する最高の腸活」
2024年3月11日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
辨野氏は1970年代から腸内細菌の分類と生態の研究に取り組み、腸内で活動する善玉菌と悪玉菌のバランスの変化が、ヒトの免疫や肥満、健康長寿に関わることを明らかにしてきました。ヒトの腸内には1,000種類以上の腸内細菌が存在し、その多様な活動の様を「腸内フローラ」と呼び、その重要性を世に知らしめたのは1980年代でした。2010年からは日本全国を対象とした腸内細菌の大規模解析に着手。約2万人の応募者に採便キットと質問票を送付し、収集結果のクラスター解析を実施しました。2017年には食事・生活パターンと腸内細菌の相関を明らかにする精細なデータベースをつくり上げました。こうした研究活動を通して、腸の状態と脳の衰えに相関性があると明らかになったことから、辨野氏は腸の状態を把握する手段として、毎日の排便状況を観察することが有効であると解説。「理想的な大便を得るには、食物繊維や発酵食品を積極的に取ること、腸内を長寿菌(ビフィズス菌と酪酸産生菌)優位の環境にすること、大便を外に出す筋力を養うことが必要」と話します。「便所とは体からの便りを受け取る所」という辨野氏の言葉にも触れ、会場からは多くの質問が寄せられました。
辨野 義己氏
一般財団法人 辨野腸内フローラ研究所 理事長
国立研究開発法人 理化学研究所 名誉研究員