2024年12月24日
第155回
「ホンダ八重洲ビルが明らかにすること」
2024年12月24日 ホテルグランドアーク半蔵門
「ホンダ八重洲ビルが明らかにすること」
2024年12月24日 ホテルグランドアーク半蔵門
建築は工学の一分野であると同時に、建設当時の技術、社会や思想のあり方を明らかにします。日本の近現代建築史の研究者である倉方氏は、2023年に再開発事業のため取り壊されたホンダ八重洲ビルを例とし、戦後の企業ビルにおける歴史的・文化的側面について解説しました。倉方氏は、ホンダ八重洲ビルが建設された1960年当時は、資材の規格化が進んでいなかったため、階段や手すりなど一点もので制作されることが多く、素材の特性を活かしたモダニズム建築が多く見られたと解説。また、ビル入口から2階スペースに続く階段と吹き抜け構造を取り上げ、プライベートな企業ビルに開放感のあるパブリックな空間を設けている点を、「建築に企業精神が表れている」と評しました。また、同氏が実行委員長を務め、2024年5月に日本橋、銀座、丸の内周辺で開催された東京建築祭のことにも触れ、「6万5千人が参加したことで、建築への関心と理解が高まっていることを実感した」と語りました。講演ではホンダ八重洲ビルの建築的・文化的アーカイブに関わった鈴木氏、二瓶氏も登壇。竣工当時を再現した模型展示や調査の様子を収めた映像も上映され、参加者は熱心に見入っていました。
倉方 俊輔 氏
大阪公立大学大学院 工学研究科 都市系専攻 教授
鈴木 友里恵 氏
Design Researcher
二瓶 雄太 氏
東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 修士課程
一般社団法人 ASIBA 代表理事

2024年09月04日
第154回
「大転換期における科学技術イノベーション政策の再デザイン —危機と機会—」
2024年9月4日 ホテルグランドアーク半蔵門
「大転換期における科学技術イノベーション政策の再デザイン —危機と機会—」
2024年9月4日 ホテルグランドアーク半蔵門
有本氏は、長年にわたり、実務家として科学技術イノベーション(STI)政策の立案および実行に従事。近年では、国連STI for SDGsフォーラムへの参加や、OECD・科学技術大臣会合宣言の起草委員、国際政府科学助言ネットワーク・ボードメンバー、国際学術会議フェローを務めるなど、STI政策における国内外の最前線で活躍されています。有本氏は、世界の分断が進む現在、各国のSTI政策は「国益のための同志国との戦略的連携」と「地球規模の課題解決に向けた、世界益に資する全世界の協力」と二つの軸で推進していると解説。具体例としてアメリカの政策を挙げ、イギリスと「大西洋宣言行動計画」を発表し、先進技術と研究開発の分野での協力を深め、経済的および国家安全保障上の課題に対応する一方、中国とも科学技術協力協定を締結するなどの動きを紹介。また日本については、現在、国が検討を進めている第7期STI基本計画が「日本の勝負所」であるとし、欧米やASEAN諸国との連携強化を図るなかで、STI政策の課題に対し行政だけでなく、研究者も含めた多様な議論が不可欠だと語りました。講演後、有本氏には参加者から多くの質問が寄せられました。
有本 建男氏
政策研究大学院大学客員 教授
科学技術振興機構 参与
国際学術会議(ISC) フェロー

2024年06月14日
第153回
「宇宙×ロボット×AIが変革する未来を目指して」
2024年6月14日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
「宇宙×ロボット×AIが変革する未来を目指して」
2024年6月14日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
吉田氏は1985年より宇宙ロボットの研究を開始し、これまでに技術試験衛星VII型「おりひめ・ひこぼし」、小惑星探査機「はやぶさ」、大学発超小型人工衛星、月面ローバープロジェクト「チームHAKUTO」など、数々の宇宙ミッション開発に参加。2022年からは内閣府/JSTムーンショット型研究開発事業において、AIロボットシステム開発に取り組んでいます。このコンセプトは「ロボットがロボットを組み立てる」もので、月面の有人拠点建設での活用を目指しています。建設現場の状況に応じてAIが必要な機能を判断。ロボット自身がモジュール化された部品を組み合わせて作業用ロボットを組み立てます。吉田氏は「月面における人の活動を支援するため、複数のロボットシステムが稼働することを想定している。資材を地球から月へ送る際には、部品を小分けにすれば、輸送コストやスペースを低減できる。今後数年以内に実証試験を行う予定だ」と解説。さらに、機械学習により、AIが部品の形だけでなく、動作の意味まで学習する様子を伝えるデモ映像が流れると、会場からは声が上がるなど、参加者は興味深く講演に聞き入っていました。
吉田 和哉氏
東北大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻 教授

2024年03月11日
第152回
「健康寿命を延伸する最高の腸活」
2024年3月11日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
「健康寿命を延伸する最高の腸活」
2024年3月11日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
辨野氏は1970年代から腸内細菌の分類と生態の研究に取り組み、腸内で活動する善玉菌と悪玉菌のバランスの変化が、ヒトの免疫や肥満、健康長寿に関わることを明らかにしてきました。ヒトの腸内には1,000種類以上の腸内細菌が存在し、その多様な活動の様を「腸内フローラ」と呼び、その重要性を世に知らしめたのは1980年代でした。2010年からは日本全国を対象とした腸内細菌の大規模解析に着手。約2万人の応募者に採便キットと質問票を送付し、収集結果のクラスター解析を実施しました。2017年には食事・生活パターンと腸内細菌の相関を明らかにする精細なデータベースをつくり上げました。こうした研究活動を通して、腸の状態と脳の衰えに相関性があると明らかになったことから、辨野氏は腸の状態を把握する手段として、毎日の排便状況を観察することが有効であると解説。「理想的な大便を得るには、食物繊維や発酵食品を積極的に取ること、腸内を長寿菌(ビフィズス菌と酪酸産生菌)優位の環境にすること、大便を外に出す筋力を養うことが必要」と話します。「便所とは体からの便りを受け取る所」という辨野氏の言葉にも触れ、会場からは多くの質問が寄せられました。
辨野 義己氏
一般財団法人 辨野腸内フローラ研究所 理事長
国立研究開発法人 理化学研究所 名誉研究員







