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懇談会レポート

2019年09月17日

第150回
「CASE、MaaSで変わる自動車産業の未来」
2019年9月17日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
自動車産業は100年に一度の大変革期を迎えているといわれ、C(Connected:つながるクルマ)、A (Autonomous:自動運転)、S (Shearing:シェアリング)、E (Electricity:電気自動車)の頭文字を取ったCASEによって、自動車産業も製造業中心からサービス業中心の産業へ移行するMaaS(Mobility as a Service:モビリティ・サービス)の時代を迎えつつあります。CASEによる自動車産業の未来を研究している中村氏は、4つのテーマが相互に関連するなかで、自動運転とシェアリングが相乗効果によって大きなイノベーションを起こす可能性を指摘します。一方、EV(電気自動車)については技術進化や市場ニーズではなく、世界各国の主導権争いから生まれたルール先行型でEV転換を促進する規制が進んでいることに警鐘を鳴らすとともに、電子デバイスの役割が増すことにより部品のモジュール化が進むことで、組立メーカーを頂点としたヒエラルキー型から水平分業型へと変化すると予測。日本企業はルールに基づく活動から、自らが勝てる枠組みを築くビジネスを展開する必要があると語りました。

中村 吉明氏
専修大学 経済学科 教授


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2019年06月05日

第149回
「サイエンスが直面する難題を有機化学でブレークスルーする」
2019年6月5日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
生物有機化学、分析化学を専門とする大類氏は「重要なのは発想の転換。他の人に見えていない切り口を探して研究に取り組んできた」と活動を振り返り、自身の研究を解説しました。最初に挙げたのは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症治療です。患者が抗HIV薬で治療中、薬剤耐性を獲得した耐性HIVが治療効果を弱めることや、治療薬の重い副作用が課題となっています。大類氏が開発した修飾ヌクレオシドEFdA(4’-Ethynyl-2-fluoro-2’-deoxyadenosine)は、耐性HIVを出現させず、すでに存在する耐性HIVにも効果を発揮。副作用が少ない夢の治療薬です。創薬成功のカギはヒトの基質選択性がウイルスに比べて厳格である点に着目した、ヒトに毒性が低い治療薬の創製は可能であるという仮説でした。また、大類氏は理化学的性質が全く同じ光学異性体を分離・識別するために用いるジアステレオマー法の「誘導体化したジアステレオマーの不斉中心間が4結合以上離れると分離・識別ができない」という100年以上未解決だった課題についても、「分析対象分子の不斉中心がそのキラルコンフォマー分子に直接結合したジアステレオマーとして識別する」画期的な超高機能の不斉識別法を開発し解決しました。

大類 洋氏
横浜薬科大学 特任教授


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2019年03月12日

第148回
「太陽と惑星と生命と」
2019年3月12日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
常田氏は太陽物理学、飛翔体天文学を専門とし、90年代から2000年代に太陽観測衛星を開発、現在は「すばる望遠鏡(ハワイ)」や「アルマ望遠鏡(チリ)」などの大型観測プロジェクトを率い、日本の天文学を世界トップに引き上げた研究者です。天文学が発展する礎は、望遠鏡の性能向上にあり、その技術開発を担っているのが国立天文台です。高い集光力と解像度の実現した日本の大望遠鏡が、天文学の研究領域を格段に拡げたと常田氏は話します。例えば、太陽系外縁の小天体が恒星を隠す時間と恒星の明るさを観測することで、その存在が確認できる掩蔽(えんぺい)と呼ばれる手法は、望遠鏡の高性能化によって実現したものです。常田氏は小天体を観測する理由を、惑星の起源を知るためと解説。小天体はいわば惑星の卵。卵には惑星の元となった材料や情報が含まれています。今、天文学では『地球は宇宙のなかで生命が存在する唯一の存在ではない』とする考え方が主流です。その実証に向け、国立天文台は5カ国共同の30m望遠鏡計画に参加。太陽系外の惑星に生命が存在する環境が発見されれば、人類のような生命体の存在有無が新たな課題になるだろうと、常田氏は天文学の将来像を示しました。

常田 佐久氏
自然科学研究機構 国立天文台 台長


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2019年01月28日

第147回
「長寿社会の課題と可能性」
2019年1月28日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル
秋山氏の専門であるジェロントロジー(老年学)とは、人間の高齢化にともなって生じた社会的課題を研究するもので、医学、心理学、社会学を中心に、哲学や経済学、政治学など学際性の高い学問分野です。世界の中でも最も早くから高齢化の課題に直面している日本は、この分野のトップランナーになれる可能性があります。秋山氏が千葉県柏市で行なった既存の都市コミュニティによる社会実験「長寿社会のまちづくり」では、社会の中で役割を求めているシニア世代に、自宅から徒歩や自転車で出かけられるエリアに就労の場を設けました。体力や自分の都合に合わせて自由に勤務できる仕組みは、人生100年時代のセカンドライフを充実させる新しい働き方といえます。また、秋山氏が関わる生活者(ユーザー)と共に企業、行政、大学が長寿社会に必要なモノやサービスなどを共同開発するプラットフォーム「鎌倉リビングラボ」では、ホームオフィス用家具や高齢者向け新型モビリティの開発が進められています。秋山氏はこうした取り組みを例に、日本は高齢社会をテーマとしたイノベーションによってビジネスを創出し、基幹産業化できるだろうと展望を語りました。

秋山 弘子氏
東京大学高齢社会総合研究機構 特任教授


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