Home本田賞2018年 贈呈式レポート

贈呈式レポート

※受賞者・ご来賓の所属・役職・プロフィール内容は受賞当時のものです。

2018年本田賞 贈呈式レポート

2018年11月19日、帝国ホテルにて

左より石田理事長・舛岡博士・舛岡令夫人・本田顧問
39回目となる2018年本田賞贈呈式は、11月19日に東京の帝国ホテルにおいて、在外公館担当者、政策担当者、学識者、報道関係者など約230名を招き開催されました。
本年は、「世界初の大容量半導体不揮発性メモリー(フラッシュメモリー)」を発明した東北大学名誉教授 舛岡富士雄(ますおか ふじお)博士が受賞しました。

受賞者紹介ムービー

受賞者のことば


私は東北大学で、半導体研究で著名な西澤潤一先生の研究室に入りました。先生は1986年の本田賞を受賞されましたが、当時既に100件余りの特許を出願されていました。私は、先生の特許答弁書等の作成のお手伝いをすることにより、特許とはなにか、どう書けばよいかなどを学ぶことができました。これにより東芝入社1年目の1971年に特許5件を出願でき、その後、米国特許にも登録され、東芝が米国インテル社と無償フリークロスライセンスを得ることができました。この1件の米国特許によりインテル社のすべての特許を無償で使えることになりました。
1980年代、DRAMなどの半導体集積回路の市場規模に比べ、磁気ディスクや磁気テープの市場規模が圧倒的に大きいことに着眼し、これらを半導体メモリーで置き換えられれば半導体産業の未来は大きく開けるはずであると考え、フラッシュメモリーを着想し、国内特許・海外特許を取得しました。
フラッシュメモリーは、安く、軽く、低消費電力かつ信頼性が高く、使いやすいメモリーのため、デジタルカメラばかりでなく携帯電話にも普及しています。現在、USBメモリーはフロッピー・ディスクを完全に駆逐し、磁気ハードディスクに取って替わりつつあります。さらに、航空機のボイスレコーダー、自動車のエンジンコントロール、ロボット、計算機及び家庭電化機器等ほとんどの電気製品に使われています。フラッシュメモリーにより携帯電話が爆発的に普及しました理由は、電源を切っても記憶が失われない(不揮発性)特徴に加え、電力消費量が非常に少ないメモリーだからです。磁気ハードディスクは携帯電話の1000倍以上の電池容量が必要です。
半導体産業の興隆は1947年に米国のベル研究所でトランジスタが発明されたことによりもたらされました。以来、半導体産業は60年以上成長が持続してきましたが、これは3つの革新的技術によって支えられてきました。第1は真空管に置き換ったトランジスタ、第2は磁気コアメモリーに置き換ったDRAM、第3が磁気ハードディスクおよびフロッピー・ディスクに置き換ったフラッシュメモリーです。今後さらに数10年半、導体産業の成長が続くためには、第4の革親的半導体技術が必要です。それは日本発の3次元トランジスタ;SGT (Surrounding Gate Transistor)であると確信しています。
フラッシュメモリーの多様な開発と進展は、東芝時代の多くの仲間たちの切磋琢磨、および東北大赴任後の研究室のスタッフ、学生たちの協力があったからこそ実現できました。ここに深く感謝申し上げます。

記念講演録PDF



ご来賓祝辞

東芝メモリ株式会社 代表取締役社長
成毛 康雄氏
インテル株式会社 元副社長
ステファン・ライ氏

本田技研工業株式会社 代表取締役社長
八郷 隆弘氏
台湾国立交通大学 教授
白田 理一郎氏

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